10月のメッセージ

 王さまの住んでいるところは、もう秋の気配ですが、いちごメイトのみなさんの地域でもそれぞれに季節の移り変わりが感じられることでしょう。みなさん、元気に頑張っていますか?

 今年は天候がなんだかおかしくて、梅雨が7月の下旬まで続いて雨降りばかりで、九州地方や東北地方は大雨の影響で大きな被害を受けました。8月に入って、ようやく梅雨が明けたと思ったら、今度は40度近い猛暑の中でマスクをつけなければならなくて、熱中症が心配されて大変でしたね。
 そういう意味では、秋になって、少しほっとしていますが、コロナウイルスに有効なワクチンが開発されるまでは、まだまだ本当に安心はできません。早く開発されることを祈るしかありません。

 この前、王さまは久しぶりに子どもの頃の古いアルバムを出してきて開いてみたら、夏は毎年、家族で海水浴に行ったり、旅行に行ったりしていた写真が残っていました。でも、今年の夏、そんな楽しいお出かけの想い出を作れた人はあまりいなかったと思います。毎年楽しみだった海水浴もお盆の帰省旅行も、コロナのせいで取りやめた人が大多数だったことでしょう。
 王さまも毎年楽しみにしていた花火大会や夏祭りが中止になってつまらないな…と思いながら、毎日、お庭の小さな畑ばかり眺めていました。

 王さまが春先からの自粛期間に、お庭に小さな畑を作って野菜を育てていることは以前のいちご新聞に書きましたね。その畑の葉っぱにいくつかセミの抜け殻がついているのは知っていたのですが、明日は梅雨明けという日にふと見ると、抜け殻だと思っていたものが小さく動きながら枝を上っていたのです。それはセミの幼虫でした。王さまはこれまでにセミの幼虫が羽化する姿を見たことがなかったので、観察することにしました。
 セミの幼虫は、少しずつ少しずつ枝を上って行って、王さまの背丈より少し上までたどり着いたら日没までそこでじっとしていて、日が沈んでから羽化が始まりました。まず、背中に小さな割れ目が出来て、そこから頭がゆっくり現れて、体を小刻みに震わせながら一生懸命に殻から出てくるのです。王さまは一部始終を息をのみながら観察し続けました。体全体が殻から出た時、羽はまだ小さく折りたたまれていて、くしゃくしゃなのですが、ゆっくりゆっくり広がっていって、やがてピンと綺麗なセミの形になりました。ただ、この時点では薄緑がかった擦りガラスのような透明に近い色で、それから1時間ぐらいかけて、だんだんに色が濃くなって茶色くなっていきました。そのセミはアブラゼミでした。そのあとは、そのまま朝までじっとしていて日の出とともに飛んでいくのだそうで、王さまが朝、見に行った時には、もうセミの姿はなく、抜け殻だけになっていました。
 さらに王さまが驚いたのは、この梅雨明け前夜に王さまのお庭で羽化したセミは、観察した1匹だけではなく、実は5匹もいたことです。セミは土の中で7年間幼虫として育ち、地上に出てきて羽化して大人のセミになってからはたった2週間ほどの命と言われています。今年のように梅雨が長引いても、土の中で梅雨明けを知っていることもすごいと思いましたし、あんなに小さな幼虫からセミの形に変貌を遂げることが実に神秘的で、その瞬間を見ることが出来たことに王さまはただただ感動したのでした。

 セミも人間も自然界で生きる生物です。自然の摂理に従って、自然と共存して地球を大切にしながら生きていかなければならないことを、小さなセミが改めて教えてくれたような気がします。
 王さまはこの夏どこにも出かけられなかったけど、心に残る素敵な想い出ができました。この想い出をみんなに届けたくて、今月号のメッセージに書きました。

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