魔法使いをたずねたメル…
「お願いがあるんです。
友達のニィナのことが心配でたまらないの。
でも上手に気持ちが伝わらなくて困っています。
バラバラになっちゃった気持ちをどうか、
魔法で近づけてください!」

「よろしい。じゃあ、さっそく…えいっ」
魔法使いが杖を天に向かって振りかざすと…
ボンッ!!!
なんとニィナがメルの上に落ちて来たのです!

「いたぁ~いっ」
ニィナは落ちてきたショックで
しばらく気を失っていたようでした…。

「ほら、近づけてやったぞ」
「違うの!こういうんじゃなくて」

「何が違うんじゃ?」
「私は気持ちを…」
魔法使いは、不気味な笑い声を
あげながら言いました。

「いいか、子ウサギ!ようく聞くんじゃ…
人の気持ちは魔法では変えられんっ!」
魔法で安易に解決しようとした自分の行為に、
メルはすっかり恥ずかしくなってしまいました。
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