シエルです。
宝物について
お話ししましょう。
それは、三日月の形をしたピアノ、
クレセントピアノです。

このピアノは、マイマイがまだ
メルシーヒルズに留学していた頃
街のアンティークショップで
ひと目惚れして手に入れたピアノなのです。
作曲家の想いをのせた
音を奏でるクレセントピアノは、
かつて、多くのメルシーヒルズの
音楽家達が愛したと言われていました。
でも、ふしぎなことに、
はじめは鍵盤をたたいても
思い通りに音が響かないのです。
アンティークショップの
主人はマイマイに言いました。
このピアノは、弾き手の心を
感じとるようでな。
ちょっと扱いにくいかもしれん。
おまえさんがクレセントピアノで
素晴らしい曲を作ってくれるのを
鍵盤を叩いても、
クレセントピアノは
言うことを聞いてくれませんでした。
しかしマイマイは、
その魅力にとりつかれたように
クレセントピアノに向き合い、
曲を作り続けました。
そしてだんだんと
クレセントピアノからは、
マイマイの心のこもった
美しい音色が響くようになったのです。
今ではすっかり、
クレセントピアノはマイマイの
曲作りのパートナーです。
まるで心が通じ合っているかのように、
マイマイから湧き出る感情を
音にのせて響かせています。
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